2009年8月12日水曜日

懐かしのラヴァーボーイ-07

その9/狐の嫁とひとつのメール


(はじめからよむ?)
(前の回からよんだりする?)

...ああ、なぜそんなこと聞くの?別に今じゃなくてもいいじゃない。
旦那は知り合いとネット関係の会社するって、証券会社辞めちゃって
銀行から金を借りた時点で、その知人ってのがドロンしたの。
今は、立派なニート。
ハローワークに行っても端末の順番が回ってくるのが2時間もかかるらしいから行ってない。
いま丁度幼稚園に娘達を迎えに行ってるかしらね....
え?そう双子、どっちも女だったの。
あいつ、娘達にお菓子出して、また部屋にひきこもってカチャカチャやってるんだわ。
「別のチャンスが出て来たよ」とかなんとか言ってて
この前、あいつが居ない間にPC覗いてやったんだけど、何が出て来たと思う?
『ロリ系陵辱もののエロゲーム』なんて気色悪いもの作ってたんだよ。
自分の娘くらいのがキャラで出てくるんだよ。信じられない。
ああヤダヤダ。
この結婚は失敗だった。
君はまだ独身だもんね。いいよね。
あのとき君について行けば良かったって思ってるんだ...。

別に契約取りたいからこんな事してるじゃないわよ。
私はそんな女じゃないわよ。

ただ久しぶりに君の顔見たから、いろいろ思い出しちゃってね...。


...けど、入ってくれたら嬉しいなぁ。今月のノルマ達成できるし....




件名『今月の購買報告と重要なお知らせ』

from 同人ソフト通信販売『タンホイザーゲート』
to fox

いつも当サイトのご利用ありがとうございます。
fox様の製品に関しての情報を報告させて頂きます。

【今月の購買数】 計:1件
・「プルプルミスト」 0件
・「ルトリはえんじ」 0件
・「赤ずきんはお使い中」 1件

【今月の購買者コメント】 計:1件
・「赤ずきんはお使い中」 1件
 内容「クソゲー作ってんじゃネェよ!バーカ!金返せ!!」

※重要なお知らせ※
fox様が出品しておられる製品中、

・「プルプルミスト」 

・「ルトリはえんじいろ」 


・「赤ずきんはお使い中」


が、児童買春・児童ポルノ禁止法の改正により削除の対象となりました。
あしからずご了承くださいませ。



その10/参考資料

WildCard



出典: フリー百科事典『VVikipedia』




WildCardは、ハイパーテキストを実現した最初の商用ソフトウェア。1987年にラディッシュコンピュータ(当時・現ラディッシュ インコーポレイテッド)のハイパー・アトキンソンが開発した。Mashinbush(Mash OS)で動作し、ゲームの制作、簡単なプログラムの開発等に利用される。










概要


ハイパーテキストのノードとしてカードを用い、カードとカードをつなぐリンクとしてはボタンを用いる。カードの上にはボタンの他にテキストやグラフィックをおくことができた。プログラムを記述するにはAtkinsonTalkと呼ばれるスクリプト言語を用いる。


ボタンを押すと各ボタンに対応付けられたカードにジャンプするか、AtkinsonTalkで記述されたプログラムを実行する。WildCardを使えばプログラムを直接記述しなくても簡単なアプリケーションを作ることができたので、マルチメディアオーサリングツールとして使用された。


初期のアダルトゲーム『Chest』の最初のバージョンはこのWildCardを使って制作された。


バージョン 1.x ではMashinbushに標準添付され、オーサリングを含む全機能が無償で利用できた。


しかし、バージョン2.0以降になって、オーサリングツールとして使えるWildCardは有償、ファイルを実行する機能のみの WildCard
Liteは無償配布という形になった。一般にこれら両方を総称して「WildCard」と呼ぶことが多い。実際はLiteもコマンド「rabbit」に
よってオーサリング可能となる。ただし、バージョン2.3になってLiteに代わりバンドルされるようになったWildrCard
Playerは、完全にオーサリング機能が除去されていた。最終バージョンは
2.4.1。2007年10月現在でも日本のラディッシュのサイトでLite 2.2-J、Player J1-2.3がダウンロード可能。


バージョン 3.0はBrickTimeのコンポーネントの一部として開発が行われていたが、途中で打ち切られたため、現在は搭載されていない。その後、BrickTimeはWildCardの統合で実装が予定されていた機能の代わりにFlashファイルをサポートした。



開発当時、プログラマーのワイルド・アトキンソンが「WildCardをすべてのMashにバンドルしなければ会社を辞める」と主張し、すべてのMashにバンドルされることになったという話は非常に有名である。





その11/欠けたものから始まるパズル

その昔、誰が言ったのかは忘れましたが「人生とは、パズルのようなものだ」という言葉が残っております。
それならば、逆にして「パズルのようなものは、人生だ」と言っても良い筈ですよね。
ちなみに、ジグソーパズルのピースを紛失した場合、どうやって送ってもらうか知ってます?
「左上から〜番目の〜段目」って書いてお金といっしょに送るんです。
...全然関係ない話でしたね。
そう、ジグソーパズルをやっていて、あるとき突然、パチパチとはまっていく瞬間がありますね。
ひとつのピースがもうひとつのピースを呼ぶというか、なんというか...。
この物語にもそういう瞬間があるのです。はい。

まずは、ひとつめのピース。
リサコちゃんは、今日もタモツくんの家にいます。
今はお兄さんの部屋に居て扇風機は回っているのですが、あいかわらず蒸し暑い部屋です。
そして、今彼女はひとつのビデオジャケットを見ています。
タイトルは『人妻生保レディ・真昼の淫華〜あなたと秘密の契約』
お兄さんのコレクションでしょうか?文章にするのもはばかれる写真がこれでもかと彼女を刺激してきます。余計な汗が出てきました。
タモツは、何かの工具を出そうとして押し入れの中に頭を突っ込んでゴソゴソしています。
このやらしいビデオは、その押し入れを開けた際に布団と一緒に落ちてきたものですので、タモツ自身は気づいていないのですが....。
さてそこでリサちゃんがいらん汗を流しながら考えている事とは、関西人の性(さが)といいましょうかなんといいましょうか、このビデオを会話内でジョークのネタにするべきかどうかです。
「あったあった!」
押し入れからの大声にびっくりして30cmほど飛び上がった彼女は、テープを布団の下にぐいっと押し込みました。
タモツは星型ドライバーを尻ポケットに突っ込んで、イソイソとその布団を押し入れの中に片付けていきます。
リサちゃんは、引き潮のように去って行く布団から、例のテープが出て来ないように、片手で布団の下のテープをグイグイ押し込んで行きます。
腹這いになるかという姿勢になった時点で、布団は上に。
「何しとるん?」
タモツの足元で仰向けになっているリサコちゃん。
「せ、背伸び」
とっさの判断でテープをジーンズの腰の方に隠したのは良かったですが、これ以降彼女はこのテープを返すタイミングを逸して
家に持ち帰るという事態におちいいるのでした。

それはともかく。

「ほら、これ、左右の同じ位置にいくつか穴が開いてるわな」
「うん」
「で、この穴に沿うように日焼け跡みたいな線が入ってるわな」
タモツが薄いその跡を指で追って行きます。
「うん」
「考えるに、これは、こうこっちからアームが出てて、上の方か手前のブラウン管の方に何かを固定させてたんと違うかな?」
「なるほど」
「でもって....そこのトレペ取って...そうそうソレ」
本体を倒し、トレーシングペーパーをテープで貼付けて、何かを写しています。
「何?」
「この裏、何かの跡があるだろ。ここ。これがね、ほら、このキーボードの裏にもあるんだな」
写した紙を、キーボードの裏にもある黒い輪にあわせると、ピッタリ同じようにあてはまります。
「本当!何かのシールかな?」

※チャットルーム※

FireBall:「今度は見れました?」
ヘルザポッピン:「ああ、大丈夫みれた。あそこのロダは流れが速いからね。」
FireBall:「どうですか?」

ヘルザポッピン:「写真うつすのヘタやなぁ....。」


次のピース。
「すまんなぁ。会社もええかげんなスケジュール組んでほったらかしで、あとは芸人同士で話つけろて、そんな無茶なことばっかり言うわ、なぁ。」
演芸場の楽屋でモンタが破れまくったソファにどっかと座っているタービンと話をしている。
タービン、しつこくて暑苦しい喋りで眼鏡角刈りの芸人だが、関西で街角レポートをさせたら右に出るものはいないという人物でもある。
今日はスケジュールをダブらせてしまったタービンのかわりに昼から空いていたモンタが街角レポートにかり出されることになったのだ。
「まぁ、でも君みたいな人がやな、これがきっかけで、新しい芸のジャンルが開けるかもしれんのやでぇ。街角には目をこらせば芸の肥やしがたっぷりや。いうなれば街全体がこれ『肥だめ』みたいなもんでな....」
延々と続くウンチクと、必要以上の自慢。
のっぽのモンタはとにかく、つったったまま「ハァ。ハァ。」と相づちをうっていた。
「うぉ〜い、モンタァ〜!ちょっと来てーな!」
船江だ。パウダールームから呼んでいる。
「は、はい!ねぇさん」
タービンもねぇさんにあたる船江の声が終業のベルと見なしたか、話をまとめることにしたようだ。
「ま、そんなとこやから。街角レポートを上手い事やろう思たら、僕をよぉよぉ拝んどくこっちゃ、な」
モンタは、ははーっと神妙な顔つきをしてタービンに手を合わせながら、パウダールームに向かった。
鏡の前でタマネギをぶったぎったようなおおきく平たい金髪のカツラをつけた(てっぺんに何かを付ける金具がついている)船江がすわって、ブック型PCを覗いている。
「なぁ、なぁ。これ何やと思う?」
「あ、また例の火の玉小僧ですね?」
「そう、これ何に見える?」
「...おそらく....電気屋の保証期間か、リース会社のリース期間の書いてあるやつってところですかね...」
「そんなところやね....こういうシルエットのキャラの電気店知らん?」
「.....う〜ん...」

※チャットルーム※
ヘルザポッピン:「ウチの参謀に聞いた感じではこんなところやけど」
FireBall:「ありがとうございました。僕らも、昼からもう一度、買った店に行って聞いてみるつもりです。」

東京の下町食堂「あらかわ」のピース。
男2人がおかずを並べてあるガラスケースの前で、めいめいのおかずを物色中。
「で?タツよ、日程は決まったのか?」
「ええ、まぁ。希望どおりの週末で」
「あの『アンパン(事務員)』から、よく許可が下りたな。ソデノシタは?何?」
「清廉潔白な俺になんてことを聞くんスか!」
「あやしい」
「.....アンアパン自身が直接ネットで調べて、週末神戸大丸で『北海道フェア』があるのでそこで『夢雪白樺年輪バウム』を買ってこい、と...」
「うぁ!神戸でなぜに北海道土産.....」
「知りませんよぉ。瓦せんべいは歯に悪いとか何とか...」
「ああ見えても結構トシ喰ってるからな」
「あそこまで色黒じゃ、年齢もわかりませんよ」
「日焼けじゃなくて酒焼けだもんな。ヤケザケのサケヤケ」
奥のテーブルにならんで座って、セルフのお茶をいれていると、中から老婆が登場。
「はいはい、何しましょ」「おれ中メシとカス汁」「じゃあ小メシの大にカス汁」
天井近くの棚に14インチのテレビがおさまっている。なんとチャンネルがダイヤル式。
「ああ、ここ。今度行くのここなんですよ。」
テレビでは例のCM、いきのいい鮮魚と漁師。
「へぇ。高くないのか?」
「まぁ、まぁですね。たまの家族旅行ですから...」
CMが終わって、グルメリポートがはじまる。
「ビンビンビンビン!!ビンビンビンビン!!」

狭い商店街をカメラがガタガタと走って行く。

「ビンビンビンビン!つっても、今回はタービンさんじゃなくて、わたくしモンタがレポートしたいとおもぃまぁ〜す!
今日のお店は、ここ、神戸元町の高架下商店街にある『ワンダータピオカはるまげどん』です!!」

高架下のピース。
モンタが腰を屈めて公衆便所の鏡を見ている。鏡の端には「しのぎ屋健太参上!!」のラクガキ。
鏡の中には青白い死神のような顔が映っている。
...ひどかった。....タピオカ・ミルク・フォー。
これはひどかった.....芸人根性でなんとか吐かずに生中継を終えたものの、死ぬかと思った。
コメントする口の端に胃から逆流する汁が飛び散り、ディレクターに「卑猥すぎてあやうく放送事故もの」と言われた。
まさにハルマゲドン。
あの壁に貼ってあった「ワサビのトッピング-40円」ってのは何だったんだ?
いや、もしかするとワサビをいれたらマシになるのかも....。ミルクにワサビ....おえぷ。
吐くものも無くなったので、今度は少しでもマシな空気を吸おうと小さなトイレから外に出た。
いや、出ようとして出口で額をしたたか打ちつけ「はうううっ!」と苦悶の声を出しながら外に出た。
するとおぼろげな視界の先には可憐な天使が待っているではないか。天使は両手で白いハンカチを差し出している。
その傍らには、天使の腕をひっぱる地蔵もいる。...地蔵?
これは、例の料理が与えたもうた幻覚なのか。それとも、あの店の親父が自称プロサーファー?
ああ、天使がハンカチを差し出しながら何か言っている....
「あの〜モンタハンタのモンタさんでしょう?ファンなんです。サイン下さい」
ファンに天使がいる芸人って、ギネスに登録できる?
幻覚がようやく醒めてくると天使は普通に可愛い女子中学生に、地蔵は普通に冴えない男子中学生に変身した。
「....あ、どうも」
「トイレから出て来たところを捕まえるなんて失礼だよ!」
お、男子、意外と礼儀をわきまえてるじゃないか。実は今サインって気分じゃないんだよ。
男子中学生は、メモのようなものを片手にもって、彼女を引っぱっていく。
ところがそのメモのようなものを見て、モンタは細い目を裂けんばかりに見開いた。


ほら、ピースが合わさる音が聞こえるかい?(天使のフルート、悪魔のトロンボーン)


「それ!」モンタがメモを指差す。
「え?」思わず後ずさるタモツ。
「それ!それ!」
「...これ?」
「それ!何かのシールの跡!」
「はぁ?!」
「FireBall!!」
「あんた誰?!」

「しのぎ屋モンタです」


神様の悪戯というかなんと言うか、タモツ達とヘルザポッピンこと船江はこのようにして出会いました。
いや、船江はモンタからの電話で2人と会話したんですけどね。
「そうかぁ...ホンマおもろいなぁ....まぁウチのモンタ使たって」
船江はそう言って携帯を切りました。
....こんな楽しい悪戯をする神様ってどんな顔をしてるんでしょうね?

その午後、高架下を3人は探索を開始したのです。
まず、予定通り本体を買った店に再訪。店主にMashがやって来たときに他の機器も来なかったか?と質問。
「あったんは震災以降やけど、だいぶん前やからねぇ....たしかアレと同じ色のもんつったら...」
とかいいながら、スピーカを3つ出して来ました。ビンゴ!シールの跡があります。
「ここに貼ってあったシールは?」
「こういうのは貼ってあると売れへんから、来たらすぐ剥がすんよ」
とりあえず、そのスピーカを購入。(機嫌が良かったのか、古かったからなのか特価300円で)
店主は専門外の機器が来たら別の店に流しているということなので、その他の店を2、3教えてもらい行ってみる事にしました。
しかし、この時点で探索は行き詰まってしまいました。他店の店主達も一応に首を振って言います。
「震災以降って、あんた、無茶いうたらあかんがな。調べるもん多すぎて、雲掴むようなハナシやわよ」
最後に寄った店の老婆にもそういわれてしまいました。「雲をつかむ」というより「蜘蛛をつかむ」といった方がいいのではないかというような埃っぽい店構えです。
「あんた...テレビのひとやな。知ってるわ。ほら、テレビに出てるひとやわ。」
いきなり老婆はスイッチが入ったようにイキイキしてきました。人は有名人に遭うとどうしてこうもイキイキとしてくるのでしょう?
「ウチの店な、あの人来はってんで。ほら、あの人。なんやったかなー?もう、あの人やん!」
関西の老婆は、初めて会ったモンタの腕をバシバシ叩きます。老婆のど忘れをどうしてモンタが責められているのでしょう?
「写真あったはずや」
いや、見たくもない写真を持って来られても...。3人の気持ちを無視して暴走する老婆は、あっというまに額に入った写真を持ってきました。
額に入ってるのにどうして飾らないのでしょう?(この店は答えの無い疑問の山ですな。ある人に言わせると、それこそが『ヂスイズ関西』なのだそうです。)
老婆が首に巻いたタオルの端で額のガラスを拭くと、埃の下から迷惑顔の老婆の肩を抱く暑苦しい笑顔が出てきました。
「うへっ」
予想通りタービン師匠です。その奥の方では、野次馬であるところの高架下の店主達が映っています。
リサコちゃんが小さな声をあげました。「ほら、ここ」
モンタが老婆のタオルをひっぱり端の方を拭いてみると、本体を買った店の店主が小さく映っています。
「これ...」
小さな店主は、店の棚に置いた何かに体をあずけるようにして手前の2人を見ています。その何かとは。
「...これが完成型だわ...」

神様とは案外こういう顔をしてるかもなぁ、と写真の中のタービンに向かって真剣に手を合わせるモンタが居ました。

(つづく)

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